【症例3.変形性膝関節症part.2】
- 大井川 壘之介

- 10月15日
- 読了時間: 4分
皆様、こんにちは!
スポーツプラス、スタッフの大井川です!
さて、今回は!
高齢者の方だけでなく、近年はスポーツ活動を行う方にも見られる「変形性膝関節症 」に関する症例のリハビリテーション(アスリハ)メニュー、その基礎となる部分をご紹介します!
※前回の投稿をご覧いただけると幸いです🍀
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減り、炎症や変形が生じることで、痛みや可動域の制限を引き起こすものです。
特に、膝の曲げ伸ばしや、階段の上り下り、スポーツ時の衝撃などで痛みを感じやすくなります。
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「膝が痛いから動かさない」と安静にしすぎることは、かえって膝周りの筋力低下を招き、痛みを悪化させる悪循環に陥ることも少なくありません。適切な時期に、適切な刺激を取り入れることで、安全かつ効率的に痛みの改善を目指せます◎
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今回は、変形性膝関節症のリハビリテーションにおける、特に重要となる初期〜訓練前期のエクササイズメニューをご紹介!!
膝の痛みはもちろん、「階段の上り下りが辛い」「立ち座りの時に膝が痛む」といった経験がある方にも、とてもおすすめできる内容となっておりますので是非参考にしてみて下さい◎
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○急性期・保護期(炎症が強い時期〜痛みのコントロール期)
変形性膝関節症の痛みの強さは波がありますが、特に「膝に熱を持っている」「安静にしていてもズキズキ痛む」といった炎症が強い時期(急性期)は、まずは痛みのコントロールが最優先となります。
無理に動かすことはせず、炎症を抑えるための処置や、医師の指示に従いましょう。
この時期は、患部に負担をかけずに、血流を改善させたり、関節の動きが少ない運動を取り入れていく事が重要です。
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○訓練前期(痛みが落ち着き始めた時期〜2ヶ月程度)
このフェーズでは、炎症や痛みが落ち着き始めたのを仮定し、以下の点に焦点を当てたリハビリに移行します。
・関節可動域の回復訓練(特に膝の伸展:真っすぐ伸ばしきること)
・日常生活レベル(ADL)復帰に向けた最低限の筋力回復訓練
・膝関節周囲の過度な緊張の抑制
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膝関節の変形性関節症においては、膝を完全に伸ばしきることが難しくなるケースが多く、歩行や立ち座りの動作不良に繋がりやすいです。
この可動域の回復と、膝関節を安定させるために重要な「大腿四頭筋(ももの前の筋肉)」の機能回復がカギとなります。
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◎パテラモビライゼーション(膝蓋骨の動きの改善)
・目的:膝のお皿(膝蓋骨)周囲の緊張の抑制、膝の曲げ伸ばしに伴うお皿の動きの改善
・方法:座位または仰向けで、膝をリラックスさせ、お皿を上下左右に優しく動かす。
・注意点:痛みが出ない範囲で、優しく丁寧に。

◎大腿四頭筋セッティング (Quad setting)
• 目的:膝関節に負担をかけずに、大腿四頭筋の収縮を再学習・活性化
・方法:仰向けに寝て、膝の裏にタオルなどを入れ、タオルを潰すように力を入れる(膝を完全に伸ばすイメージ)
・注意点:膝のお皿が上に引きあがる感覚があればOK。つま先に力を入れすぎないように注意。
△10秒キープ×10回×2セット

◎SLR (Straight Leg Raise:膝を伸ばしたままの足上げ)
・目的:膝関節を安定させた状態での大腿四頭筋・腸腰筋の強化
・方法:仰向けに寝て、片膝を立て、伸ばした方の足を膝が曲がらないように真っすぐ持ち上げる。
・注意点:膝が曲がらないようにすること、腰が反らないように腹筋に軽く力を入れること。
・△左右10回×2セット


膝の痛みは、「関節の変形が進んだから仕方ない」と諦められがちですが、周囲の筋肉の「正しい使い方」や「機能的な協調性」を取り戻すことで、痛みを軽減させ、生活の質を向上させることは十分に可能です。
ぜひ上記のエクササイズを試してみてください◎
次回の投稿はこの続き!
さらに、歩行やバランス能力の改善、競技復帰に向けた強度の高いエクササイズを含めた「訓練後期」のフェーズとなります✨
次回の投稿もお楽しみに!!




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