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呼吸が変われば姿勢が変わる。姿勢が変われば、人生が変わる。

  • 執筆者の写真: 佐藤 尚輝
    佐藤 尚輝
  • 11月5日
  • 読了時間: 4分

こんにちは。 SPORTS+トレーナーの佐藤です。

今日はトレーニングの中でも意外と見落とされがちな「呼吸」について、少し深く掘り下げてみたいと思います。


筋トレ、ストレッチ、姿勢改善、リハビリ

どんな目的であっても、“呼吸の質”が体の使い方を決めると言っても過言ではありません。




呼吸とは、単なる「酸素の出し入れ」ではない


私たちは1日に2万回以上も呼吸をしています。

しかし、その大半は「意識されない呼吸」。

つまり、無意識のうちに姿勢や動作に影響を与えているのです。


呼吸の中心で働くのが「横隔膜」という筋肉。

この筋肉は胸郭(胸の骨格)と腰椎をつなぎ、まるでピストンのように上下に動いています。

・息を吸うと → 横隔膜が下がり、お腹の圧力が高まる

・息を吐くと → 横隔膜が上がり、肋骨が閉じて体幹が締まる

このように、呼吸は「腹圧」と密接に関係しています。

そして腹圧は、姿勢を安定させる最も自然なコルセットになります。



腹圧とは何か?


腹圧とは、腹腔内にかかる圧力のこと。

横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群が連携して働くことで、体の内側に“空気のクッション”を作り出します。


この腹圧があることで、私たちは重力に負けずに姿勢を保つことができます。

逆に腹圧が抜けると、背骨が不安定になり、腰や肩に負担が集中してしまいます。


よく見られる例がこちら

・胸を張りすぎて腰が反る「反り腰姿勢」

・呼吸が浅くて肋骨が開いたままの「胸式呼吸タイプ」

・お腹が常に抜けていて下腹がポッコリする「腹圧低下タイプ」


これらの姿勢はどれも「呼吸の崩れ」が根本原因の一つです。



姿勢と呼吸の関係


呼吸がうまくできないと、体は姿勢でバランスを取ろうとします。

たとえば、呼吸が浅くなり胸で吸う癖がある人は肩や首の筋肉(胸鎖乳突筋、斜角筋、僧帽筋上部など)を過剰に使い、首こりや肩こりが起きやすくなります。


逆に、お腹を凹ませたまま呼吸している人は、腹圧が抜けやすく、腰痛や骨盤の不安定性につながります。


つまり、姿勢の歪み=呼吸の歪み。

正しい呼吸を取り戻すことは、正しい姿勢を取り戻すことでもあるのです。



正しい呼吸のポイント


まずは、日常の「呼吸のクセ」を知ることから始めましょう。

以下のステップを試してみてください。

1.仰向けになり、両膝を立てる

2.片手を胸、もう片方の手をお腹の上に置く

3.鼻からゆっくり息を吸い、お腹だけでなく背中や脇腹までふくらむように意識する

4.口から細く長く息を吐き、肋骨が内側に閉じていくのを感じる


ここでポイントなのが、「お腹を前にだけ膨らませない」こと。

360°全方向に空気が入るように意識することで、本来の腹圧が生まれます。

この感覚を掴むために、壁を背にして行う呼吸ドリルもおすすめです。

壁と背中の間に空気を送り込むように吸い、吐くときに肋骨を閉じていく。

これだけでも体幹の意識が劇的に変わります。



呼吸を意識すると、トレーニングの質が変わる


スクワット、デッドリフト、ベンチプレスなどの高負荷種目では、呼吸が動作の安定性を左右します。


「吸う → 腹圧を高める → 動作 → 吐いてリセット」


このリズムを作ることで、体の芯がブレにくくなり、力を効率よく発揮できます。


反対に、呼吸を止めたまま動作を行うと、血圧が上がりやすくなり、体幹のコントロールも失われます。

「力を出そう」と思うほど呼吸を止めてしまう人は、注意が必要です。



呼吸は“動きの起点”である


私たちは動作を始める前に、必ず無意識に呼吸を整えています。

これは脳と体のセンサーが「これから動くぞ」と準備するサイン。


つまり、呼吸はただの生理反応ではなく、運動のスイッチなのです。


だからこそ、スポーツでもリハビリでも、呼吸を整えることは最初の一歩になります。

身体を動かす前に、「呼吸の質」を整える時間を取りましょう。



呼吸を整えることで変わること


→姿勢が安定する

→腰や首の張りが軽減する

→トレーニング動作がスムーズになる

→ 集中力が高まる

→パフォーマンスが上がる


たった数分の呼吸練習でも、体の感覚が大きく変わるのを実感できるはずです。



まとめ

・呼吸は「体幹の土台」であり、「姿勢の要」

・横隔膜がしっかり動くことで腹圧が高まり、体を内側から支える

・呼吸が整えば、動作も安定し、トレーニング効果が向上する



さいごに

呼吸は、誰もが毎日している「最も身近なトレーニング」です。

でも、その“質”を意識できている人は少ない。


だからこそ、今こそ見直してほしいのが「呼吸の使い方」。

筋トレも、ダイエットも、姿勢改善も、呼吸からすべてが始まります。



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